ASH LYNX

アッシュ・リンクス|BANANA FISH

トップノートは、クラリセージのひんやりとした香りが、スッと通り抜けるように立ち昇ります。物語冒頭の、近寄りがたい印象を感じさせるような香りです。カリスマ性と存在感を放ち、IQ200の天才的な知能を生かしてストリート・ギャングのボスとして君臨する姿が感じられると思います。
そこに、アールグレイの整った印象の香りも重なり、彼の美しい見た目も感じられます。金色の髪と翡翠色の瞳で、彼が望むと望まぬとに関わらず多くの人々を魅了する、並外れて整った容姿を持つアッシュというイメージです。

ミドルノートになると、フリージアとオゾンの温かみが出てきます。ショーターやスキップなどの仲間を大切にしていて、失うことを恐れているアッシュの、情の厚さを感じさせる香りです。
そこに、渋みのあるベチバーも加わり、力強さも出てきます。卓越した射撃能力など、ブランカによって教えられた軍事訓練によって得た圧倒的な戦闘技術を持つアッシュを思わせる香りです。ゴルツィネや月龍らと戦っている時の雰囲気が感じられます。

ただラストノートでは、自然体な印象のオークモスに、ふわりと柔らかなムスクが重なる香りへと変化します。英二と居る時だけに見せる年相応の表情を思わせるような空気感です。
昼過ぎに英二に起こされ、シャワーに放り込まれた後、エビとアボカドのサラダを食べる、二人で過ごす何気ない日常のシーンが目に浮かぶようです。

全体的に温感の低い、端正な香りです。ただその奥に、せつないまでの柔らかさが隠れているのが印象的なフレグランスです。