トップノートは、ユーカリやタイムのハーバル調の香りから始まります。日本をサッカー「弱小国」と言い放つ糸師 冴の視線を思わせる、冷ややかな香りです。
そこに、研ぎ澄まされたベルガモットの香りが重なります。弟の糸師 凛と似た要素を持った香りですが、彼以上にキレと鋭さがある、冴えざえとした香りです。世界一を追求する彼の、壁の高さを知ったからこそのストイックさが伝わります。

ミドルノートになると、ローズマリーの渋みが出てきます。糸師 凛に、「糸師 冴を潰すことが　俺のサッカーの全てだ」と言わしめる強者の雰囲気が滲みます。
一方で、オレンジフラワーの甘酸っぱい香りがほのかに混ざると、“青い監獄（ブルーロック）プロジェクト”の発表を目の当たりにして、徐々に昂りを感じるような、明るさが宿ります。

ラストノートは、ヒノキの清々しい香りに、サンダルウッドの落ち着いた香りが馴染み、深みのある香りが漂います。“青い監獄（ブルーロック）”に立ちはだかることを予感させるような、静けさが漂う香りです。

糸師 冴のフレグランスは、全体を通して冷たく鋭い空気が伝わる、淡々とした印象のフレグランスです。
しかし次第に角がとれて、サッカーへの情熱や、天才と呼ばれる彼が人知れず積み上げた努力までもが感じられる香りになります。

©金城宗幸・ノ村優介・講談社／「ブルーロック」製作委員会