王馬小吉の香りは、幼い雰囲気と捉えどころの無い空気感が混在する、思わず惑わされてしまいそうな香りです。

トップノートは、あどけなさを感じるアップルのみずみずしい香りと共に、冷たさを覚えるハーブの相反する香りが、どこかアンバランスな空気感を放ちながら香ります。
嘘つきを自称していたり、思いつきで発言をする、彼の言葉で思わず翻弄されてしまいそうになる香り立ちです。

ミドルノートになると、ほんのりとした甘さと共に、ナチュラルなクローバーの香りが重なります。
まるで純粋にゲームを楽しみたいと思っているかのような、どことなく無邪気な一面が目に浮かぶようです。
何を考えているのかいまいち読み取ることの出来ない彼が、泣き真似をして見せる悪戯好きの子供のような姿を見せているところを思わせる雰囲気です。

ラストノートにかけて、パウダリームスクのふわふわとした香りが、指の間をすり抜けていくように広がります。
コロシアイを終わらせるためなら手段を選ばないと言う彼の、最後まで真意が読めない不透明で捉えどころがない様子を感じさせます。しかし、どこか場に溶け込むように香りが馴染んでいくため、最後に見せた表情や彼の本心が少しだけ垣間見える印象です。

本心を包み隠して決して見せない彼の、嘘か本当かわからないその笑顔を思わせる香りです。

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