The Earl of
Millennium

千年伯爵|D.Gray-man

トップノートは、軽やかなフローラルと共に重厚感のあるオレンジの香りが、危うい均衡を保って重なります。
いつもテンションが高く、演技がかった明るい話し方で残酷な殺戮をする彼を思わせるような、アンバランスな印象を与える香りです。
目の前で繰り広げられる人間の悲劇を楽しむように人間をAKUMA化へと引き入れる彼の、狂気に満ちた姿を彷彿とさせます。

ミドルノートになると、渋みを持つセージとシダーウッドが広がり始めます。
ノアの第一使徒として圧倒的な力を持ち合わせている千年伯爵の姿を思わせる香りです。
深みのある香りへと変化するため、一族で集まった際に、普段とは全く異なる穏やかな立ち居振る舞いを見せる彼の、紳士的な姿を感じさせます。

ラストノートにかけて、これまでの軽やかな香りと渋みが折り重なって、どこか不透明な印象へと変化します。
まるで彼の心が迷子になっているかのような、不安定な香り立ちです。
14番目のネアに複雑な思いを抱きながらもネアの傍にいたいと涙したり、マナとしての記憶を失い、自身を裏切ったネアの存在を消してしまいたいと思っている彼を思わせます。

全体を通して、軽やかさと重さが混在した複雑な香りとなっています。
彼の中にある底知れない闇と、揺れ動く心の内を感じることのできるフレグランスです。