トップノートは、ぎらりと輝くベルガモットの香りから始まります。
暗い甘さがありながらもビビッドな光を放っていて、彼の金の髪のカツラや、ゴス風の服装、メイクをした顔を思わせる、どこか異彩を放つ香りです。
シトラスの不思議なスピード感もあって、ティキとデビットが乗っている人力車を猛スピードで引っ張るジャスデロらしさも感じられます。

ミドルノートになると、チェリーボンボンの、ドロっと甘い香りが出てきます。不穏な雰囲気の冷ややかさに甘さが混じり、退廃的な雰囲気を漂わせています。
まだ精神的に子供で、他のノアに比べて遊び感覚で任務をこなすジャスデロというイメージで、ノアとしてまだ覚醒していない姿も思わせます。

ラストノートは、パチュリの渋みにサンダルウッドの深みが混じり、どんどんとダークな印象に変わっていきます。
デビットと絆のスキルで合体し、想像する力を使い、炎や冷気など様々なボムを作成してクロウリーを圧倒していく、絆のノアとしてのジャスデロが感じられる香りです。

全体的に、甘い毒薬を思わせるような香りで、ドロリとした質感があります。
冷ややかさと共に、理性を奪うかのような甘さが絡みつくように広がる、底知れない雰囲気をお楽しみください。

©星野桂／集英社