primaniacs - 「IdentityⅤ」フレグランス

トップノートは、肌寒い気配が漂う森の中を思わせる、冷ややかなハーバル調の香りから始まります。どことなくテンションが低い、ひんやりとした印象です。
夜の深い森に迷い込み、闇の中を手探りで進んでいくかのような、神秘的な印象の香りです。

ここからミドルノートになると、清々しいヒノキの香りが重なり、だんだんと静けさを感じさせる澄んだ印象へと変化していきます。彼の未来を見通す天眼を感じられるような、暗くミステリアスでありながら透明感のある香りです。
そこにバイオレットのしっとりとした香りが重なり、闇の中に淡い花の香りが漂うような雰囲気も出てきます。愛する人のために誤った道を選んでしまうような、等身大の青年の雰囲気も感じさせます。

ラストノートでは、その暗い香りの中に、淡い光を感じさせるヘリオトロープの香りが立ち昇ります。まるで深い闇の中に、青白い月明かりがそっと差し込むような雰囲気です。
ほの暗い雰囲気の中にも、助けたフクロウを可愛がっていたり、フクロウを通して仲間を助けたりする、彼の優しさが垣間見えます。

全体的に、静かで落ち着いた香りで、濃紺の衣装を着て瞳を布で隠しているイライの、ミステリアスな雰囲気が感じられます。
その中にほんのりと柔らかさが広がってゆき、どこか落ち着いた空気感を作り出すフレグランスです。