The Ripper

リッパー|IdentityⅤ

トップノートは、硬質感のあるユーカリがもたらす、整った印象のハーバルノートが、シャープな色気をまとわせて香り立ちます。
英国紳士らしい、黒いスーツに身を包み、スマートな立ち居振る舞いをするような印象です。
ただそこへ、ブラックペッパーのスパイスの香りが混じり出します。冷ややかで不穏な香りで、紳士としての振る舞いの奥に隠された、もう一つの危うい一面が覗き見える雰囲気です。

ミドルノートになると、エレガントな空気感を醸し出しながら、ローズの花が辺りをふわりと彩り始めます。薔薇の杖を装備し、出会ったサバイバーをお姫様抱っこしている時のようなイメージの香りです。
ただし、そこに鋭いスパイスの香りが重なって、鋭利な輝きを放っています。霧の刃で切り裂いてサバイバーを追い詰めていくリッパーを思わせる、危険な印象の香りです。

ラストノートはベチバーのダークな渋みが合わさり、しっとりとした印象へと変化していきます。死の香りのする暗い霧に捕らわれたような雰囲気で、一度出会ったが最後、殺人鬼から決して逃れることはできないという気持ちになるような香りです。

全体的に、大人の男性の格好良さがあるのですが、その奥で危険な空気が重なるような香りです。
白い仮面で素顔を隠し、鼻歌を歌いながらサバイバーを切り刻んでゆく、「切り裂きジャック」を感じさせるフレグランスです。