primaniacs - 「IdentityⅤ」フレグランス

トップノートは、彼女の肌を彩るおしろいを思わせる、ふわりとしたパウダリックな香りから始まります。
着物を着てしとやかに振る舞う美智子というイメージで、とても美しく優雅な香りです。

ミドルノートになると、アヤメやナデシコなどの和の花々の香りが、トップノートからのふわりとした印象の上に軽やかに重なります。しっとりとした桜の香りも重なって、はらりと舞い散る桜の花を思わせるような、幻想的な風情を感じさせる香りです。
甘美な香りではありますが、どことなく手をすり抜けていくような、切なさのある雰囲気です。まるで、もう手にすることの無い幸せな日々を思うような、幻想的な香りです。

ラストノートになると、清らかながらも芯のあるシダーウッドが香って、彼女がサバイバーを追う際に見せる般若のお面の表情を感じさせるような印象になります。しとやかさの奥に狂気を持った女性を思わせる香りです。
ただ、和の花の持つ幻想的な美しさが、揺らめくような気配となってラストノートまで残っています。かつて彼女が辿った、切ない恋を思わせる印象です。

全体的に柔らかい花の香りが漂っていて、夢見心地な雰囲気をもたらす香りです。
ただその中に、狂おしいまでの恋しさが隠されており、美しい女性が心に隠し持つ情念を感じさせるフレグランスになっています。