Prospector

探鉱者|IdentityⅤ

トップノートは、ガルバナムの力強い印象と共に、スパイスの香りが重なります。
暗く過酷な炭鉱で働く炭鉱夫としての姿や、寡黙で勤勉だった彼の姿がイメージできる香りです。
また、少しスモーキーで不透明な香り立ちのため、どことなく暗い坑道の黒土を思わせる香りとなっています。炭鉱で、仲間たちがほぼ全滅するような絶望的な落盤事故に合いながら一人だけ助かった彼を感じさせる、孤独感のあるダークな雰囲気です。

ミドルノートになると、更に香りに暗さをもたらすように、フゼアノートの深みのある香りが合わさります。
岩石や磁石をイメージさせる、ドライな気配と暗さを帯びた香りです。
悲惨な事故によって絶望を知った暗い瞳や、相手の好意を素直に受け入れることのない彼の、顔に残された傷跡の痛々しさを感じさせます。

ラストノートでは、この暗さに溶け込むように、ベチバーやサンダルウッドの香りがゆったりと重なります。
少し落ち着きを伴う、静かな夜を思わせるような香りです。寡黙なノートンが、辛い過去の記憶を抱えながらも生きてゆく姿がイメージできます。

全体的に、彼のまとっているダークな雰囲気や、過去を引きずる黒い瞳を思わせるような、暗く重たい香りです。
ただ、その中に静けさも感じられるため、落ち着いた雰囲気と格好良さもあるフレグランスとなっています。