"Prisoner"

「囚人」|IdentityⅤ

トップノートは、ユーカリのキレのある香りが、冷ややかな空気を重ねて立ち昇ります。
金属のように無機質で温感を感じさせない香りとなっていて、神経質な一面が垣間見えるようです。
ですが、このキレのある香りが真っ直ぐに立ち昇るため、脳を損傷し、記憶や集中力に問題が起きている状態であっても、発明を完成させることを諦めていない発明家としての姿も感じられます。

ミドルノートになると、タイムのシャープな香りが重なるため、閃光が迸るように一層鋭さを放って香り立ちます。
電気回路を制御して暗号機の同時解読を可能としたり、「導体」となった特殊体質により、身体に電気を帯電させてハンターにダメージを与えることが出来る彼の、天才的な一面がイメージできます。

ラストノートでは、ほのかに人肌のようなぬくもりを感じるトンカビーンズの香りが、新たな創造や発想は自由だと言う彼の、発見を決して諦めることのない姿を感じさせます。
そこへシダーウッドの真っ直ぐな香りが合わさることによって、どこまでも発明に対する熱く真っ直ぐな想いが伝わってくるような雰囲気です。

冷ややかでキレのある香りがラストノートまで続いてゆく、格好いい香りとなっています。
人生を賭けて発明を追い求めてゆく、天才発明家のルカらしいフレグランスです。