Painter

画家s|「Identity Ⅴ」

トップノートは、ベルガモットやスペアミントなどのキレのある香りから始まります。
芸術において天才的な才能を持つエドガーを思わせるような印象で、自らを過剰なまでに評価していたり、騒々しい人や物は『役に立たない』と思っている彼の、神経質な一面を感じさせる香り立ちです。

ミドルノートになると、華やかなローズの香りが、少しずつ花開き始めます。
貴族出身のエドガーが持つ気品や気高さが感じられるような印象です。ワルデン家に一人息子として生まれ、素晴らしいものに囲まれながら祝福を受けて育った彼の、かつての幸せな時を思わせます。

ラストノートでは、ナチュラルな空気を持つモスが漂い始めます。
自身を称賛していた者たちの虚偽と無知に嫌気が差して、かつてないインスピレーションを求めて荘園へとやってきた彼の、どこまでも自らが信じる芸術を追い求める姿が感じられます。

全体を通して、少し神経質な一面を感じさせるような、天才芸術家らしいシャープな香りです。
だんだんと角が取れて落ち着きが出てくることにより、純粋な彼の思いが少しずつ垣間見えだすフレグランスとなっています。