ALBEDO

アルベド|原神

トップノートは、すっきりと冴えわたるサイプレスから始まります。低く漂う静かな香りは、「白亜の申し子」と呼ばれるモンドの天才錬金術師の姿を思わせます。
その淡々としたハーバル感に、フィグのしんとした重みのある香りが混じります。
不要な人付き合いを避け、他人と適度な距離を置くアルベドが、雪深いドラゴンスパインで一人研究に打ち込む姿が描き出されます。

ミドルノートでは、トップノートからのハーブの静けさに、ジュニパーベリーのキレが重なります。どこか冴え冴えとした印象の香りです。
しかしそこに、ふわふわとした甘みを持つアイリスが重なります。
この融合が、硬質な印象と、指の間をすり抜けるような浮遊感が混じり合った、不思議な香りを生み出します。
「黒土と白亜、宇宙と地層、無垢なる土から原初の人間を創る」——そんなウェンティの言葉を思わせる、どこか普通の人間ではないような雰囲気です。

しかしラストノートになると、フローラルオゾンのかすかな甘さが漂い、どことなく穏やかな印象に変化します。
スクロースやティマイオスに先生と慕われ、クレーに振り回されながらも面倒を見ては「クレーのことは実の妹のように思ってる」と語るアルベドが目に浮かぶような、優しい香りです。

全体的に、すっきりとしていながらも落ち着いた香りで、錬金術師としての知性や才能を感じさせるフレグランスです。
その奥に隠された、穏やかな日常を思わせる空気感も、ぜひお楽しみください。