HUTAO

胡桃|原神

トップノートは、甘酸っぱさが天真爛漫に弾けるカシスから始まります。あちこちの人間にちょっかいを出して驚かせてはその反応を楽しむ胡桃らしい、無邪気でアクティブな香りです。
そこにフレッシュなシトラスの香りが混ざり、明るくポジティブな雰囲気が漂います。「ヒルチャールのお兄さんが病気になった♪」と歌ったり、魈に「あやつは困るほど元気だな」と言われたり、辛炎からも「いっつも楽しそうな顔をしてんだよな」と評される胡桃を思い出させる香りです。

ミドルノートになると、梅の花の可憐な香りが漂い始めます。この花香がトップノートからの甘酸っぱさと重なって、次第に鮮やかで軽快な印象が広がっていきます。
ただ、そこにふわりとパウダリックなアイリスが重なります。どことなく幽冥を思わせるような、しっとりとした捉えどころのない雰囲気です。
「生は死に通じ、死がまた新たな生を創る。死を忌避する必要はない。」その真理に至った胡桃の、死をも恐れぬ戦い方を彷彿とさせる香りです。

ラストノートでは、往生堂の堂主としての姿を物語るような渋みのある白檀が、一筋の煙のように立ち昇ります。
多くの年長者がその見事さに感嘆する、厳かな葬儀を執り行う胡桃の姿が目に浮かぶ香りです。

全体的に、さながら梅の花を思わせる、甘酸っぱい可愛らしさが印象的なフレグランスです。
彼女の悪戯心のような煌めきと、不可思議な深みとのコントラストをお楽しみください。