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実井|ジョーカー・ゲーム

トップノートは、柔らかなミュゲの花の香りがふわりと香り立ちます。
他の機関員と笑顔で会話を交わし、参謀本部から送り込まれてきた佐久間中尉を気に掛けるような、気さくな実井を思わせる香りです。
白幡邸に潜入した際に、気が弱い青年を演じていた時の、少し繊細な雰囲気も感じさせます。

ミドルノートになると、渋みを有するパチュリの香りが重なるため、一気に淡々とした印象へと変化します。
蒲生を羽交い絞めにして意識を落とす姿や、結城中佐に銃を向けた風戸中佐に対して、躊躇なく発砲し相手の手から拳銃を弾くような、的確な状況判断をする彼のサディスティックな一面が顔を覗かせるイメージです。

実井は、ミドルノートの淡々とした印象が最後まで続いてゆくため、ラストノートには無機質な印象が余韻となって続いてゆきます。
白幡邸での任務を無事に完遂する冷静な実井を彷彿とさせる香り立ちです。
普段見せる姿とは異なる冷酷な一面が辺りを覆いつくすような、敵とみなす相手にはどこまでも容赦のない姿を思わせます。

最初は石鹸を思わせるような、柔らかく飾り気のない香りです。
そこへ渋みが広がってゆくことによって、見えない闇が辺りを覆い出すかのように、大きな変化を見せるフレグランスとなっています。