Yuki
Lieutenant Colonel

結城中佐|ジョーカー・ゲーム

トップノートは、リーフグリーンのひやりとした香りの中に、百合の花が静かに重なります。
秘密裏に帝国陸軍内に“D機関”を設立し、周囲から『スパイ・マスター』と呼ばれる彼の姿が目に浮かぶ、冷たさを感じさせる香りです。
すべてを見透かすほどの鋭い眼光や『死ぬな 殺すな』の信条を機関員たちに教えを説く彼の、幾度も潜り切り抜けてきた過酷な過去や経験を思わせます。

ミドルノートになると、霞みがかった印象を与えるように、ヘリオトロープの香りが広がります。
彼の素性を暴こうと近づいてもするりとかわされてしまうような、謎に包まれた雰囲気です。
ヘルマン・ヴォルフ大佐が「いくら探ってもその実態は掴めん」と思うのも頷けるほどの、スモーキーさも感じられます。

ラストノートにかけて、深みのあるサンダルウッドの香りが静かに漂い続けます。
すぐそばで不穏な影が佇んでいるような、どんな敵であっても恐怖を覚えるほどの底知れない存在感を感じさせます。

全体的に、最後まで不透明な雰囲気が辺りを漂うような、スモーキーで捉えどころのない香りとなっています。
誰も彼の正体を知り得ることはない、と思わずにはいられないフレグランスです。