Odagiri

小田切|ジョーカー・ゲーム

トップノートは、ユーカリやカルダモンの重厚感のある香りから始まります。
元軍人らしい真面目な小田切を思わせる香りで「たかだか演習のために死んでも本望というのは馬鹿げている」と上官から仲間を庇う彼の、男らしさも感じさせます。

ミドルノートになると、がさつきのあるレザーの香りが重なります。
シュナイダーの死は自殺ではなく何者かに狙われたのだと考え捜査を続けていく彼の、葛藤を抱えながらも事件を追う姿が目に浮かぶようです。
そこへカモミールの香りが微かに香ることによって、シュナイダーと安原ミヨコの共通点を発見し、真実を突き止めていく姿もイメージできます。

ラストノートにかけて、落ち着いたトンカビーンズの香りがゆるやかに漂います。
幼い頃に自身を育ててくれたちづ姉への思いを捨て去ることが出来ないという彼の葛藤が伝わってくるようです。
最終的には、それを捨て去ってしまったら自身が生きている意味が分からなくなると、己の考えを再確認する姿も感じさせます。

全体的に、彼の真面目な一面を感じる、かっちりとした硬質な香りとなっています。
次第にカモミールの香りが重なり、過去を回顧する彼を思わせるような、純朴さを感じさせるフレグランスです。