KYOKAI
トップノートはヒヤシンスのしっとりとした香りから始まります。クローブのガサガサとした刺激も紛れており、涼しげな表情の裏で、復讐の誓いを秘めている羌瘣のイメージです。
ひんやりとした香りでもあり、表情が乏しく言葉数も少ないため何を考えているか読めないような、近寄りがたさも伝わってきます。
ミドルノートになると、カーネーションやミュゲなどの、グリーンフローラルの香りが出てきます。透明感のある香りで、暗殺集団・
仄かな甘みがあり、畏れを抱くと同時に目が離せなくなってしまう圧倒的な剣技のような、そんな美しさを感じられる端正な香りです。
ラストノートになると、ホワイトムスクの柔らかな香りが出てきます。“
次第にサンダルウッドの穏やかな香りが漂うと、ミドルノートまでの儚さが消えて存在感が出てきます。復讐のためだけに生きて来た彼女が、飛信隊という帰るべき場所を得て現世に繋ぎ留められたイメージです。憑き物が落ちたかのように、前向きに生きることを決めた羌瘣の姿が思い浮かびます。
羌瘣のフレグランスは、冷感のある淡々とした香りの奥に、花々の甘みやウッディ調の深みを感じられ、気持ちを鎮めてくれます。
男衆すら超える実力で、窮地の時にも飛信隊の切り札となる羌瘣。そんな彼女の持つ冷静さを味方に、どんな悪条件下でも動じない力をもたらしてくれる香りです。
©原泰久/集英社・キングダム製作委員会