Wu Xian

ムゲン|羅小黒戦記

※ネタバレとなる表記がございます。鑑賞前の方はご注意ください。

トップノートは、かっちりと硬いユーカリの香りから始まります。「お前を捕まえに来た」と告げ、フーシーたちと戦っているムゲンという雰囲気です。
自身を最強の執行人であると語り、逃げようとするシャオヘイを金属で捕まえて連れ去る姿が感じられます。

ミドルノートは、クリスタルミントの冷たい香りが広がります。ですがそこに重なって、オゾンの捉えどころのない印象が広がります。
彼の、分かりづらい優しさや、不器用な性格を物語るようです。
シャオヘイに金属性の力があることに気付き、「埋め合わせだ」と言って修行をつけてあげようとしたり、居場所の無いシャオヘイを気遣って館へ連れて行こうとする姿を思わせる香りです。

ラストノートになると、ムスクにアンバーが重なって、温かい印象の香りに変わります。シャオヘイの事を心から大切に思っていることが感じられるような香りです。
フーシーに連れ去られたシャオヘイを、「シャオヘイには自分しかいない」と言って必死で探していたり、最後のシーンで、胸の中に飛び込んできたシャオヘイを、ぎゅっと抱きしめるムゲンが感じられます。

全体的に、本心が分かりづらいような淡々とした香りですが、その奥に温かさが潜んでいます。
ぜひラストノートの優しさと穏やかさを感じてください。