Feng Xi

フーシー|羅小黒戦記

※ネタバレとなる表記がございます。鑑賞前の方はご注意ください。

トップノートは、爽やかな植物の香りです。涼し気かつ自然体な印象で、シャオヘイに見せていた笑顔のようなイメージの香りです。
襲われているシャオヘイを助けて島に連れてゆき、「これから、ここは君のうちだ」と言うフーシーという雰囲気です。

ただミドルノートになると、パチュリの深い渋みが出てきて、ほの暗さを感じる印象に変わります。彼の心の底にある、故郷を奪った人間への復讐心が感じられるようです。
暗い声でぽつりと「我慢の限界だ」と口にして一人で出かけ、ミン先生やガコの能力を奪って自分のものにしていくフーシーを思わせる香りです。

ラストノートではシダーウッドが漂い、落ち着いた、でもどこかかすかな甘さを持つ香りに変化します。彼の真っ直ぐすぎる想いと、それゆえの結末を物語るようです。
「俺は間違っているかもしれないけど、もう後戻りできないんだ」と告げ、ムゲンと戦う姿を思わせる香りです。
自らを大樹へと変え、最後に「シャオヘイ、ごめん」と言い残すフーシーが目に浮かびます。

全体的に、木々に芽吹く新緑を思わせる、グリーン調の爽やかな香りです。
一瞬だけ垣間見える、奥底の復讐心や、ラストノートの余韻が、印象的なフレグランスです。