Itachi Uchiha

うちはイタチ|NARUTO-ナルト- 疾風伝

うちはイタチの香りは、冷酷な表情の奥底に、ほんのかすかな甘さを宿した香りです。

トップノートは、ハーバルの冷たい香りが、その身を引き裂くように香り立ちます。
うちは一族を皆殺しにした、残虐な姿を思わせるイメージの香りです。
加えて、すぐにゼラニウムの渋みが合わさって香るので、サスケの心を復讐で蝕む、彼の冷酷な眼差しをも感じられる鋭い印象です。

しばらくすると、どこか不透明なオゾンの香りと共に、彼岸花のふわりと甘い香りが、どこか物憂げな情景を思い浮かばせるように重なります。
ナルトたちが、彼の抱える真実を知ろうとしても闇へと消えてしまうような雰囲気や、出口のない霧の中を手探りで進まされているような雰囲気をイメージさせる、不思議な香り立ちです。
しかし、その不透明な香りの中、一筋の光が差すように甘さが広がるので、木ノ葉隠れの里の為、そして愛する弟を守りたいが為に罪を背負うような、一族や両親に手を掛けた際に見せた涙を思わせる繊細な香りです。

イタチは、この不透明な香りが最後まで余韻を残して続きますが、どこか穏やかな空気感が漂うように変化します。
サスケに「お前を愛している」と優しい微笑みを向けてくれる、最後に告げた想いが伝わるようです。

守りたいものの為に身を捧げる彼の、分かりづらい優しさが滲む香りです。