Obito Uchiha
うちはオビトの香りは、雲を掴むように不透明な印象の香りです。しかし、どこか昔の彼を思わせる香りでもあります。
トップノートは、捉えどころのなさを感じるアルデハイドの香りから始まります。
トビとして振る舞っていた彼を彷彿とさせる香りで、神出鬼没で物音立てずに突然現れたり、自身の事を『うちはマダラ』と名乗り、暗躍する姿が目に浮かぶような印象です。
ミドルノートになると、冷感のあるサイプレスが重なります。
カカシの事を「後悔だらけの生涯を送るに相応しい男だ」と話す姿や、少年時代と比べて桁違いの戦闘力を誇る彼の、冷酷な性格を思わせる香りです。
リンが自害してもなお『本当の平和』が訪れない虚しさにより、無限月読による幻の平和を望むようになるといった、喪失感も感じられます。
ラストノートにかけて、ベチバーの香りで、落ち着いた雰囲気が漂います。
第四次忍界大戦にて、ナルトたちやカカシと共に大筒木カグヤと戦い、最後、ナルトに「お前は…必ず火影になれ」と伝えるような、元より持ち合わせている優しい心を感じさせます。
絶望に落とされながらも最後に取り戻した、彼の心を感じられるフレグランスです。
©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ