トップノートは、軽やかなベルガモットの香りから始まります。
美人を見ると目がハートになってしまうサンジを思わせる香りです。
しかし、同時にキラキラと輝くような印象もあり、オールブルーを見つける夢を語る姿もイメージできます。

ミドルノートでは、ゼラニウムの香りが重なり、力強さが出てきます。
『黒足のサンジ』としての力強さを思わせる香りで、ゼフに「男は女を蹴っちゃならねェ!!!」と教えを受けて以来、絶対に女性を攻撃しないサンジの信念が見えてくるような香り立ちです。
どんな敵であっても「食いてェ奴には食わせてやる!!!」と料理を出す彼の、料理人としての信条を貫く姿も感じさせます。

ラストノートでは、タバコアブソリュートの香りと共に、柔らかなムスクの香りがゆったりと重なります。
彼の人を思いやる気持ちが、立ち昇る煙をすり抜けて見えてくるような、とてもあたたかい印象です。ゼフにもう何も失ってほしくないが一心でパールに手を出さず殴られ続けたり、故郷のバラティエだけでなく縁を切った家族を見捨てずに助け出す、彼の身近な人を守ろうとする姿が感じられます。

全体的に軽やかで、軟派な性格を感じさせる香りです。
しかしその奥にあるぬくもりが、芯の強さと優しさを感じさせるフレグランスとなっています。

©尾田栄一郎／集英社・フジテレビ・東映アニメーション