Kamba Takakura

フレグランス名|輪るピングドラム

トップノートは、マリンの甘みに、ベルガモットのキラリとした輝きが重なります。爽やかでカッコいい香りです。
女の子にモテていて、その事で陽毬や晶馬に呆れられて「女にだらしない、ばっちい冠葉菌」と言われてしまっている冠葉という雰囲気です。

ただミドルノートになると、力強いガルバナムが熱感を放つように香り出します。陽毬を助けるためならこの世界のすべてを敵にしても構わないと告げる冠葉が感じられるようです。
それと同時に、パチュリの淡々とした渋みも出てきます。どこかほの暗い印象もあり、陽毬のために企鵝の会に協力していて、それを家族に告げることの無い冠葉を思わせます。

ラストノートは、一気に印象が変わり、クリアなシダーウッドが真っ直ぐに立ち昇ります。清々しく混じりけのない香りで、冠葉の、晶馬と陽毬への愛が感じられます。
箱の中で見つけたリンゴの半分を晶馬に渡したり、自分の命と引き替えに陽毬を助け、ガラス片となって消えてゆく冠葉を思わせる香りです。

全体的に、爽やかで格好良く、どことなく精悍な香りです。
ただその奥に、燻るような熱感と揺るぎのない印象を隠し持っているフレグランスです。