KOSUKE MIKADO

三角康介|「さんかく窓の外側は夜」

トップノートは、フレッシュなハーバルシトラスに、ジンジャーのビターな熱感が混じる香りから始まります。爽やかな雰囲気で、どこかカジュアルな印象もあります。
霊的なものが見えることを誰か人に言ったり助けを求めたりせず、どうにか普通の生活を送ろうとしている三角、というイメージの香りです。

ここからミドルノートになると、芯の強さを感じさせるように、ガルバナムの力強さと温もりが出てきます。
死人を「怖い」と口にしながらも、「見えるものを見ない方が怖い」と言い、逃げることの無い姿を思わせる香りです。
そこにシダーウッドの清々しさが加わり、ひたむきさを感じさせる香りになっています。冷川に拒絶されても話し合おうとし理解しようとする三角の姿が目に浮かびます。

ラストノートは、淡い甘さを持つムスクへと変化します。ふんわりとした印象で、周りの人間を見捨てず、助けようとする彼の心を思わせる香りです。
「他人を助けることはそのまま ずっと助けてほしかった自分を助けることで それは嘘や詭弁じゃない」と言い、目に映る人々のことを助けようとする三角という雰囲気です。
さらにベチバーの落ち着いた渋みも重なり、料理を作ってお母さんと一緒に食べている時のような、ナチュラルで優しい空気感も漂います。

全体的には爽やかな印象で、等身大の若者らしい香りです。
その奥に潜む、芯の強さや、温かい優しさを感じてみてください。