RIHITO HIYAKAWA

冷川理人|「さんかく窓の外側は夜」

トップノートは、オゾンの飄々とした印象から始まります。淡々としているけれども柔らかい香りで、不思議な透明感があります。彼の、人あたりの良さそうな笑顔を感じさせる香りです。
笑みを浮かべて霊を「ぶん投げ」て除霊していたり、非浦英莉可の作った死体を見ても顔色一つ変えることの無い冷川という雰囲気です。

ただ、ミドルノートは、オークモスの不透明で渋みある香りに変化します。低く漂うような暗さのある、ミステリアスでダークな印象です。
行動の理由などを三角に聞かれても、はぐらかして答えなかったり、どこか日本語が不自由で「リロセーゼン」「ホロボス」などと口にする冷川を思わせます。
さらに、底知れない苦みがじんわりと広がっていきます。自分のことを「あらかじめ壊されていた」と語り、「憎しみ」を自分の核としている冷川というイメージです。

ラストノートは、ミドルノートの不透明感を残しながらも、シダーウッドの清々しい香りが立ち昇ります。暗闇に光がスッと射し込むような雰囲気です。
先生の家で、三角に本当に望んでいることを聞かれ、「ただ そばにいてほしい いさせてほしい……」と告げて涙する冷川が目に浮かぶようです。

全体的に、指の間をすり抜けるかのように掴みどころのない、淡々とした冷ややかな雰囲気の香りです。
香りの変化も大きいので、ミドルノートでの闇や、ラストノートの光もお楽しみください。