Draluc

ドラルク|吸血鬼すぐ死ぬ

トップノートは、渋みのあるカンファ―ツリーの香りから始まります。
黒いスーツに身を包み、マントをひらりと翻す彼が見えてくるような、どこかクラシカルな香りです。
彼の住んでいた古城や「真祖にして無敵の吸血鬼」と恐れられるドラルクの、確かな存在感を感じさせます。

しかし、ドラルクは香りの変化があっという間で、まるで「すぐ死ぬ」かのようにすぐにバイオレットのしっとりとした香りになります。
一気に弱らかな印象へと変化するため、ドアに挟まっただけですぐに死んでしまう所や、子供に悪口を言われただけで砂になってしまうような、吸血鬼としてのステータスが凄まじく低い姿を思わせる香りです。
若い男の生き血を吸い、味がくどすぎて砂になる様子を見ていたロナルドに「ザコにも程度がある」と言われてしまうのも頷けるような雰囲気です。

ラストノートにかけて、ホワイトムスクの香りが静かに漂い続けます。
ロナルドの吸血鬼退治事務所に居候して、ゲームをしたり料理を振る舞ったりするような、彼らが過ごす緩やかな日常を思わせる香りです。

全体的にクラシカルな香りですが、時間が経つごとにゆるっとした空気感へと劇的に変化してゆきます。
最後には、古めかしい雰囲気は残しつつも、安心感のある香りとなるフレグランスです。