トップノートは、フレッシュなオレンジに、みずみずしいアップルが重なります。
その戦闘能力の高さから、周囲より期待と注目を集め、若くして吸血鬼対策課の副隊長を務めている彼女の、明るく元気な姿が感じられる雰囲気です。

ミドルノートになると、この生き生きとした香りの中に透明感を与えるように、リリーの花が重なります。
ドラルクから、歯が浮くようなセリフと共に手の甲にキスをされて、顔が真っ赤になってしまったり、Y談おじさんのビームを浴びた際に、語彙が男子小学生みたいになってしまうような、純粋な姿を彷彿とさせる香り立ちです。

ラストノートにかけて、優しいムスクの甘さがふわりと広がります。
どこか年相応なヒナイチを感じさせるような、柔らかい印象です。
ドラルクの手作りクッキーが大好物で、ロナルド探偵事務所の地下にある抜け道からお菓子の匂いに誘われて現れる彼女の、天然で可愛らしい一面がイメージできます。

全体を通して、等身大の女の子の姿を思わせるような、フルーティーで若々しい香りとなっています。
徐々に彼女の、年相応な純粋さや天然な一面があらわになってゆくように、じんわりと柔らかさが広がるフレグランスです。

©盆ノ木至（秋田書店）／製作委員会すぐ死ぬ