Vanitas

ヴァニタス|ヴァニタスの手記

トップノートは、ベルガモットのキラキラした香りに、マリンの青色が重なります。暗闇で蒼く光る彼の瞳が感じられる香りです。
シトラスのもたらす冷えたような印象と共に、軽やかな甘みがふわりと漂い、ヴァニタスの人を食ったような言動も思わせます。
ノエの意志に関係なく「オレに力を貸せ!」と言ったり、ジャンヌにいきなり口づけをして笑っているヴァニタスという雰囲気です。

ここからミドルノートになると、クリアなシダーウッドの香りへと変化します。
それにより、時折見せる彼の暗い表情を感じられるような、仄暗い渋みが出てきます。透明感がありながらも、そっと闇が出てくるようなイメージです。
「貴様らが望もうと望むまいと オレは必ず吸血鬼を救う」「それこそが オレの蒼月の吸血鬼に対する復讐だ」と、歪んだ笑いを口元に浮かべながら吸血鬼たちに伝えるヴァニタスが目に浮かぶようです。

ただラストノートは、アンバーとベチバーの落ち着いた香りに変わってゆきます。ふわりとした温かさもありますが、どこまでも静かです。
吸血鬼を救う」という言葉の通り、死という形をとることはあれ、確かに彼らを救っているヴァニタスが感じられる香りです。

全体を通して、甘さがきらめくように冷たく輝く香りとなっています。
変化も大きいフレグランスです。ぜひミドルノートの闇や、ラストノートの静けさもお楽しみください。