Rosei Kantsubaki
【トップノート】
ひんやりとしたクリアミントに、スノードロップの仄かな甘みが重なるところから始まります。
季節の最上位である冬の代行者に相応しい香り立ちで、冷艶清美と称される美青年であり、人々を魅了する求心力すら兼ね備えている狼星の品格が感じられます。
しかし、一方でどこか他者を寄せ付けない距離感を感じる香りでもあります。
賊に見せる容赦のない一面、幼い頃から現人神として己を律していた過去、初恋の人を喪った悲哀。
それらにより築き上げられた孤独さが滲む香りです。
【ミドルノート】
白木蓮や牡丹といった、華やかな香りが広がります。
花の甘みが強くなることによって、ともすれば所在なさげでもあったトップノートの印象から、存在感や力強さが出てくるイメージです。
幼くして冬の王として君臨し、固く閉ざされた雪の世界で戦うことを強いられた狼星。
護衛官の凍蝶に守護されながらも、決して守られるだけの男ではないといった、冬の代行者の名を冠するに相応しい実力がうかがえます。
【ラストノート】
厳かな白檀がゆるやかに立ち昇るところへ、花梨の甘みが重なります。
荘厳な気配の中に、人肌のような温感や柔らかさが広がっていくイメージです。
いつか、好きな子にもう一度花をあげる為に生きてきた狼星。
そんな彼が、厳しい寒さの中で雛菊を待ち続け、恋焦がれることをやめなかった。
まさに、望春ともいえる姿勢と健気な想いが伝わってくる香りです。
【全体的な香りの印象】
寒椿狼星のフレグランスは、厳かな気配が辺りに広がる、気品溢れる香りです。
雛菊を喪った空白の10年を、灰色に染まった色のない世界で生きてきた彼が、再び自身の春と巡り逢い、またここから『唯一の恋』を育んでいく様子を、香りで感じてみてください。
©暁佳奈・スオウ/ストレートエッジ・KADOKAWA/春夏秋冬代行社