【トップノート】
端正なシトラス調と、気品のあるイランイランの甘さから始まります。
品のある香りで、財閥家の執事としての気品や風格が感じられるようです。
あまり主張しない落ち着いた香り立ちなので、執事らしく主人である志岐の後ろへ控えている彼の姿を彷彿とさせます。
ですが、落ち着いた雰囲気ながらもどこかツンとした印象もあるため、志岐に対して時折小馬鹿にするような、使用人らしからぬ姿も思い浮かぶ香りです。

【ミドルノート】
ローズやジャスミンといった、麗しい花々の香りが重なります。
少ししっとりとした香り立ちで、しめやかな雰囲気が広がっていくイメージです。
鷺島のゆったりとした言動や、謎を追求しようとする志岐に付き添いつつも、同時にそれとなく志岐に助言するような、謎めいた雰囲気が感じられます。
また、その中に少しずつクローブの刺激が混じることによって、香りに深みが出てきます。
どこか地に足の着くような印象の香り立ちのため、事件の真相に志岐よりも早く辿り着く鷺島の、鋭い洞察力や答えを導き出す姿も伺える香りです。

【ラストノート】
柔らかい質感をもつムスクが、ゆったりと広がります。
ミドルノートまでの艶やかな香り立ちが、徐々に和らいでいくイメージです。
事件解決後に傷心している志岐にそれとなく気遣う言葉をかけるような、分かりづらくも控えめな優しさが感じられます。

【全体的な香りの印象】
鷺島亨のフレグランスは、名家の執事の完璧たる姿を彷彿とさせる、上品な香り立ちが特徴です。
時に主人の志岐を小馬鹿にしながらも、さりげなく志岐の身を案じて寄り添い続ける鷺島と同じように、人の気持ちが分からなくても、人の身になって考えればいいと思い、仲間に寄り添えるようになった誉。
悩みながらも祖父母と過ごしたかつての時間に想いを馳せて、贈られていたのは愛情だという答えに辿り着き、ありのままの自分を受け入れた今の誉だからこそ演じられる、飄々としつつも志岐を想う優しさを宿した鷺島の姿を、香りで感じてみてください。

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