GUY
(PHANTOM ver.)
【トップノート】
ウッディ調の重厚感のある香りから始まります。
姿は見えずともファントムは確かにそこにいると思わせる、目をそらせない程の存在感が漂うイメージです。
そこに華やかなライラックの甘さが重なることによって、クリスが思わず聞き惚れるくらい魅惑的で、甘く深い、ビロードの手触りのように心地よいファントムの歌声も感じられます。
【ミドルノート】
チュベローズのしっとりとした花の香りが重なります。
かつてオペラ座にて絶大な人気を博すテノール歌手だったファントムの、煌びやかさが伝わってくる艶のある香りです。
しかし同時に、パチュリの渋みやレザーノートのがさついた質感が混じることによって、ほの暗さが出てきます。
10年前、リチャードの画策によって存在を消されてしまったファントム。
そんな彼が抱く、顔に負った火傷痕の鈍い痛みや、リチャードに向けた憎悪が感じられるようです。
【ラストノート】
ほのかな温感をもつアンバーが広がります。
ミドルノートまでのほの暗さが落ち着き、どこか香り立ちが柔らかくなるイメージです。
クリスの純粋さや優しさに触れて、復讐心も歌への執着も捨て、ただ歌う喜びを取り戻していくファントムの、友へ抱く情と感謝を思わせる香りです。
しかし、レザーノートのがさついた質感は残り続けるため、火の手が上がる中でも幕が下りるその時まで舞台の上で歌い続けた彼の姿も感じられます。
【全体的な香りの印象】
ファントムのフレグランスは、彼の姿は見えずとも重低音の美しい歌声が響き渡る様子が伺える、重厚でいてしなやかな香りです。
己の身に起きた真相を胸に秘め、長きに渡り地獄の底で亡霊として生きてきたファントムと同じように、幼い頃の壮絶な記憶から目を背けるように、心や感情を失いアンドロイドとして生きてきたガイ。
シトロンや冬組のみんなのおかげで過去と自分を取り戻し、シトロンの友人として劇団で新たな人生を歩み始めたガイが演じる、復讐の念だけではなく、親友のために最後まで歌い続けたファントムの姿を、香りで感じてみてください。
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