【トップノート】
グレープフルーツのすっきりとした香りに、グリーン調の爽やかさを重ねた、軽やかな印象の香りから始まります。
己の出自や使命といったものに縛られず、自由気ままに振舞っている志摩の様子が思い浮かびます。
堅苦しいことを嫌い、飄々と生きようとする志摩らしい、清々しい香りです。

【ミドルノート】
リリーやガーデニアといった、花々の気品ある香りが出てきます。
どこか力強さすら感じさせる香りですが、そこにマリンノートが深みを加えることで、トップノートよりも重たさが感じられるようになります。
普段はゆるい志摩が、啓明結社（イルミナティ）のスパイとして祓魔塾の塾生と敵対した時に見せた、隠していた実力のほどが伝わってきます。

【ラストノート】
ムスクの揺らめくような印象の香りが広がります。
ミドルノートまでの芯のある香りが落ち着き、ほろ苦くも柔らかい甘さが感じられます。
塾生達と敵対した志摩ですが、かといって攻撃的になる訳でもなく、勝呂達を気遣う気持ちを残しています。
そんな彼の本心が見えない様子を物語る、不透明な香りが漂います。

【全体的に】
志摩廉造のフレグランスは、どこまでも広がる青空のような、明るさのある爽やかな香りです。しかしその奥底に、どこかほろ苦さも見え隠れして、最後まで掴みどころのない印象が続くのが特徴です。
気さくながらもどこかドライな性格をしている彼の、飄々としていて何にも縛られない自由な様子を感じてみてください。

©加藤和恵／集英社・「青の祓魔師」製作委員会