Mephisto Pheles

楡井秋彦|「青の祓魔師」フレグランス(新装版)

【トップノート】
フルーツが作り出す、お菓子のような甘い香りから始まります。
ファンシーなものや賑やかなこと、楽しいことが大好きなメフィストらしい、どこかポップな印象の香りです。
まるで手品のように道具を出したり、犬に変身してどこからともなく現れたりと、神出鬼没で自由な様子が感じられます。

【ミドルノート】
豪奢なローズや、ジャスミンの華やかさが出てきて、気品を感じられるようになります。
時の王であり、正十字騎士團日本支部の支部長であり、さらには名誉騎士でもあるメフィストの、優雅さと実力が伝わってくる香りです。
一方で、トップノートから続くまろやかな甘さがゆったりとした印象も生み出しており、悪魔らしく甘言をうたい、人々を誘っていくような、甘く危うい雰囲気も感じられます。

【ラストノート】
アプリコットやラズベリーなどの、かすかに酸味をにじませた濃厚な甘みが出てきます。
どこか仄暗さも感じられ、常に人間とは一線を画す立場から物事を眺め、嘲笑うように祓魔師エクソシスト達を観察するメフィストの様子が伝わってきます。
未だその真意が見えない彼の持つ、縋りたくなるような魅力と、信用してはいけないと思わせる怪しさを物語る、ダークな香りが漂います。

【全体的に】
メフィスト・フェレスのフレグランスは、砂糖菓子にも似た甘さから、クラシカルで重厚な印象に変化するのが特徴です。
面白いことを好み、人間と悪魔の戦いの行く末を見つめる彼の、悪魔らしい掴みどころのない雰囲気を感じてみてください。