Tabito Karasu
トップノートは、落ち着いたラベンダーから始まります。
烏 旅人の達観している一面や、大人びた姿が感じられる香りです。
同時に、湿り気を帯びたベチバーが広がり、じわりと渋みが
相手の能力を細かく分析し、弱点を突くことを得意とする、曲者な彼のイメージです。
何を仕掛けてくるか分からない謎めいた部分や、試合中に浮かべる余裕そうな笑みが目に浮かびます。
ミドルノートになると、ローズのしなやかな甘さが広がります。
トップノートにあった渋みが薄れて、どこか香りの芯がしっかりしてくるイメージです。
敵を「凡」か「非凡」か判断する彼の、鋭い観察眼を思わせます。
また、巧みなハンドワークで敵との間合いを制して相手の動きを封じ込めたり、得意の分析力で最適解を導き出すことで敵の攻撃の幅を狭めたりするような、クレバーなプレースタイルも伺える香りです。
ラストノートでは、人肌のようなぬくもりをもつアンバーが重なります。
ミドルノートまでのはっきりとした香り立ちが、徐々に和らいでいくイメージです。
二次選考で共にプレーしていた乙夜 影汰や、ユース選抜で一緒だった氷織 羊と軽口を言い合うような、普通の男子高校生らしい気さくな一面を思わせる香りです。
ですが、トップノートから変わらず落ち着いた雰囲気があるため、気さくながらもその真意は読めないといった、付かず離れずの距離感が感じられます。
最初は、大人びた態度や「殺し屋」と言われる彼の戦い方が感じられるような、不穏な気配が漂うフレグランスです。
時間が経つ毎に、微かに香り立ちが穏やかになっていきますが、それでも完全には懐に入り込ませない烏 旅人の姿が感じられる香りです。
©金城宗幸・ノ村優介・講談社/「ブルーロック」製作委員会