DAVID MARTINEZ

DAVID MARTINEZ|「サイバーパンク: エッジランナーズ」

【トップノート】
勢いのあるガルバナムと力強いクローブが重なり、粗削りな雰囲気が広がります。
アラサカのアカデミーに通う素行不良の問題児で、無情な世界に歯向かうように生きるデイビッドの姿が目に浮かぶ香り立ちです。
また、そのがさついた質感は、サンデヴィスタンの適性が他人よりもずば抜けて高く、自分を「特別」だと思うようになった彼の、僅かな驕りすら思わせます。

【ミドルノート】
湿り気を帯びたパチュリの渋みが出てきます。
それによって、トップノートまでの粗削りな雰囲気に、更に重たさが加わります。
不慮の事故で母親を失ったデイビッドの、アラサカや世間に対する憤りの心が感じられるイメージです。
そこへラブダナムの揺らめくような甘さが重なり、香りにほの暗さが出てきます。
インプラントを次々と装着して手にした力と引き換えに、ゆっくりと、しかし確実に身体が蝕まれていく様子を思わせる香りです。

【ラストノート】
心地よい温もりをもつオークモスが、静かに漂います。
その温度がミドルノートの渋みと重なり合い、香りに厚みが出てくるようなイメージです。
母親やメイン、ルーシーが抱いている、「他人の夢」を生きているデイビッド。
そんな彼が、たとえその身が滅んだとしても「ルーシーだけは夢を叶えて欲しい」「君だけは守り抜きたい」という想いをもって最後まで戦う、愛情が感じられる香りです。

【全体的な香りの印象】
デイビッドのフレグランスは、粗削りな雰囲気の奥にアウトローでダウナーな気配が広がるのが特徴です。
ですが、ほの暗さの中に潜む温もりが徐々に出てくることによって、何を失ってでもルーシーや愛する人たちの為に夢を追い続ける彼の、不器用な優しさが感じられるようになります。
苦しい事ばかりだった人生に光を見出したデイビッドの生き様を、香りで見届けてみてください。