HEERO YUY

ヒイロ・ユイ|『新機動戦記ガンダムW』フレグランス

【トップノート】
涼やかなベルガモットやユーカリの香りと、ラベンダーやゼラニウムの渋みから始まります。
ヒイロのぶっきらぼうな口調や任務に忠実な様子だけでなく、自分の命をいとも簡単に捨ててしまおうとするような危うさまでもが感じられる、近寄りがたい印象の香りです。
重たさもある香りなので、かつてコロニーで任務を遂行した際に抱えた、心の傷をも思わせます。

【ミドルノート】
バイオレットやガルバナムといった、グリーン調の香りが出てきます。
トップノートから変わらず渋みがありますが、重さが和らぐように香り立ちが変化します。
コロニーとOZが同調し、ガンダムは不要だという世論が主流となってもなお、戦うことでしか生きる術を見出せないヒイロの、不器用な生き方を思わせる香りです。
一方で、ローズの微かな甘みによって、明るさも出てきます。
ロームフェラ財団の代表となったリリーナの、平和への言葉が支持を得る様子を見て、彼女に希望を見出したヒイロが、自分が立つべき戦場を見定める姿も感じられるようです。

【ラストノート】
シダーウッドの清々しい香りが出てきて、香り立ちが晴れやかになります。
ゼロシステムを経験し、殊更に自分の敵、平和の敵を模索してきたヒイロが「人はみな弱者である」という結論に至ったような、迷いの晴れた様子が感じられる香りです。
そこにオークモスやムスクといった、人肌にも似た温感をもたらす香りが重なることで、ミドルノートまでの涼やかさから変化して、温かみが出てきます。
今まで命をなげうつことを躊躇わなかったヒイロが、ホワイトファングとの最後の戦いを前にリリーナに向けた、優しい微笑みが思い浮かぶようです。

【全体的に】
ヒイロ・ユイのフレグランスは、硬く研ぎ澄まされたナイフのように冷たい香りから、まるで本来の優しさや人間性を取り戻すかのように、少しずつ温もりが出てくるのが特徴です。
リリーナと運命的な出会いを果たし、時代や大衆に翻弄されながらも、彼女の築く平和な時代のために生きて戦い抜く彼の姿を感じてみてください。