NIA
【トップノート】
キラキラとした明るさをもつベルガモットと、ラベンダーのゆったりとした甘さから始まります。
ボックスの中で眠っていた、お姫様のようなニアの姿が思い浮かぶ綺麗な香りです。
上品ではあるものの淡い香り立ちでもあるため、世間知らずな彼女の
また、温感の低さも感じられることで、アンチスパイラルのメッセンジャーとしての片鱗も垣間見えます。
【ミドルノート】
マグノリアやジャスミンといった花の香りが出てきます。
ホワイトフローラルの柔らかな甘みによって、トップノートの繊細な印象から変化して、温感と存在感が出てくるイメージです。
カミナを亡くした喪失感に打ちひしがれるシモンを奮い立たせたり、父であるロージェノムと訣別したりするような、大人しそうな見た目とは全く違う、凛とした立ち姿が思い浮かびます。
一方で、トップノートに比べると重たい印象に変化するため、アンチスパイラルの遺伝子が発露し、冷たい眼差しでシモン達の元から去ってしまう彼女の姿も感じられます。
【ラストノート】
ホワイトムスクの澄んだ香りが出てきて、晴れやかな印象になります。
ミドルノートの重たい印象に光が差すような変化で、アンチスパイラルの因子を跳ね除けたニアが、シモンのいる大グレン団の元に戻ってきたかのようです。
また、ピーチのキュートな甘さがほんのり重なるため、最後まで明るい香り立ちになります。
シモンとの結婚式で、自分が消えるその瞬間まで笑顔を絶やさずシモンに愛を伝えるニアの、優しく温かな表情が思い浮かぶ香りです。
【全体的に】
ニアのフレグランスは、どこか所在なさげで涼やかな香りから、まるで血が通いだすかのように、徐々に温感が出てくるのが特徴です。
ロージェノムの気まぐれの子どもとして生まれ、アンチスパイラルのメッセンジャーとして作り出されたという数奇な生い立ちをもつニア。
そんな彼女が、螺旋因子を持つ人間のように、人を愛し明日を願い、運命に抗いながら生命の輝きを放つ様子を感じてみてください。
©中島かずき・今石洋之・プロジェクト「グレンラガン」