【トップノート】
レッドカラントの鋭い酸味と、コリアンダーの熱感が重なるところから始まります。
“個性”帯電のビリビリとした質感のイメージです。
自身で放電のコントロールはできないものの、相手を感電させて戦闘不能にしてしまえるほどに強い力だということが伝わってきます。
また、同時にスパイスの刺激があるため、仮免試験にて、肉倉精児に爆豪勝己のことを悪く言われた際に憤るような、人情に厚い一面も感じられます。

【ミドルノート】
パルマローザというハーバル調の香りが重なります。
先程まであった刺激的な雰囲気から、徐々に透明感が出てくるイメージです。
仲間と共闘するために会得した「ターゲットエレクト」が一直線に放たれている所が感じられます。
また、香りに少し明るさが出てくるため、普段はノリが良くチャラっとしているものの、文化祭では指を痛めながらも耳郎響香にとって良い文化祭になるようにギターの練習を頑張ったりするような、気の良い一面が見えてきます。

【ラストノート】
清々しいシダーウッドと共に、優しいムスクが広がっていきます。
トップノートに比べると印象が大きく変化し、柔らかい質感が出てくるので、W数が許容オーバーすると著しくアホになってしまう上鳴電気を思わせるようです。
また、同時に晴れやかな雰囲気も感じられるようになります。
超常解放戦線を迎え撃つ際に、A組の面々と離れたところに配置されて心細くなっていたところ、ミッドナイトに「“どこかの誰か”じゃ難しいなら――一番大事なものを心に据えな」と言われて耳郎響香の顔を思い浮かべる彼の、決意を宿した眼差しまでもがイメージできます。

【全体的な香りの印象】
上鳴電気のフレグランスは、電撃のバチバチとした刺激が感じられるのが特徴です。
しかし、後からクリアな質感が広がることによって、彼の明るく親しみやすい人柄が見えてくるようになります。
普段はクラスのムードメーカー的存在で飾り気のない彼がもつ、仲間想いで情に厚い一面を、香りで感じてみてください。

©堀越耕平／集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会