Kano Reimei

叶 黎明|「ジャンケットバンク」フレグランス

【トップノート】
フレッシュグリーンの淡々とした香りから始まります。
涼やかで静かな香り立ちで、「くだらない人間」を視界に入れた時の、心底つまらなそうな表情が思い浮かびます。
初対面の御手洗に冷ややかな視線を送ったり、「デッドマンズ・キャンドルライト」の1ラウンド目で既に獅子神を見くびっていたりする黎明のイメージです。

【ミドルノート】
トップノートからの変化が速く、すぐにマグノリアやローズなどの花の甘みが出てきます。
フルーツのような濃厚な甘さがありつつも、どこか明るく、まるで毒が入っているかのように鮮やかな香りです。
相手の力量を認め、彼らに魅了されている時の黎明の、楽しげな表情が思い浮かびます。
また、自分を世界の中心だと思っていたり、直前まで反りの合わなかった弓彦に「ユミピコ」とあだ名をつけて仲良くなったりするような、無邪気で気さくな雰囲気も感じられます。

【ラストノート】
ホワイトムスクやジャスミンの香りが出てきて、ミドルノートのフルーツのような甘さが、ゆったりとした香り立ちに変化します。
穏やかな甘さがありながらも、不透明な質感が出てくるイメージです。
笑顔でいる時が一番腹の内が読めないといった底知れなさのような、黎明のギャンブラーとしての本質が見えてくる香りです。
楽しそうに笑っていても冷静沈着で、抜け目なく相手を“観測”している黎明の、用心深さが伺えます。

【全体的に】
叶黎明のフレグランスは、最初は一瞬で香りが変化したかと思えば、今度は全く変化していないかのように甘さが続くといった、まるで彼の表情が移り変わる様子を見ているかのように緩急の激しい香り立ちが特徴です。
自分が認めたものでしか自分の世界を構成しないと豪語する、我の強さや無邪気さ、そして、そうした態度とは裏腹に、真経津をして反則に持ち込むことでしか勝機を見出せないほどの、ギャンブラーとしての確かな強さを感じてみてください。