Tendo Yumihiko
【トップノート】
ミドルノートのローズの香りが既に感じられるので一貫して華やかな香り立ちですが、そこにベルガモットやゼラニウムのギラつきのある香りが重なります。
微かな渋みがあり、力強い印象の香り立ちです。
宗教的な神ではなく自らを神として信仰し、法治国家に生きる身でありながら手ずから悪人を裁こうとする弓彦の、ある種の傲慢さが伝わってくるようです。
とはいえ、香りの印象としては品があるため、聖職者としての佇まいや、身なりの良さも伺えます。
【ミドルノート】
トップノートのギラつきや強さが引いて、センチフォリアローズやブルガリアンローズといった、高級感のある香りが際立ちます。
美しく混じり気のない香りで、真の神々しさが感じられるようです。
「ブルー・テンパランス」で真経津に敗北し、「ピーキー・ピッグ・パレス」にて宇佐美班側のギャンブラーとして復活した弓彦。
そこで見せた、敵を
【ラストノート】
華やかさは残るものの、ウードの奥深い香りが出てくることで、香りが少しだけ重くなります。
咎人に物理的な罰を下すという、一見すると危険人物な弓彦ですが、一般的に罪とされることを犯した相手を処罰の対象として選ぶような、善悪の判断基準を持っている人物でもあります。
また、獅子神に「供物」を要求したり、祭りに参加したりと、常人には理解しがたい態度をとりながらもノリのいい弓彦。
そんな彼の、アンバランスで憎めない様子を思わせる穏やかな香りです。
【全体的に】
天堂弓彦のフレグランスは、一貫して神々しさが感じられるのが特徴ですが、天罰を下すような強さから、徐々に赦しを与える慈悲の心が出てくるように落ち着いていくのが特徴です。
綺麗な容姿で本物の神と思えるほどに品格がありながら、常人離れした自意識やそれを軸にした強さをもつ彼の、彼にしか出せないオーラを感じてみてください。
©田中一行/集英社