ICHIJO SEIYA
【トップノート】
ラベンダーの甘みに、パインツリーやスペアミントの涼やかな香りが重なります。
パリッとスーツを着こなして、身だしなみが整っている一条に相応しい、端正な香り立ちです。
またシプレー調ならではの品のいい香りでもあるため、若くして帝愛グループの幹部候補生であるという、エリートらしさも感じられます。
【ミドルノート】
綺麗な印象と同時に冷ややかさをもたらす、フローラルオゾンが出てきます。
トップノートの端正な印象はそのままに温感が低くなることで、「悪魔」としての一面が垣間見えるイメージです。
数多のギャンブラーを「沼」に嵌め、没落していく者を嘲笑う彼の狡猾さが感じられます。
一方で、最初に比べるとほろ苦い香りでもあるため、見た目の綺麗さとは裏腹に、地道にコツコツのし上がってきた者ならではの、凄みや根性なども感じられます。
兵藤和尊の死を見越していつか王になると目論む一条の、野心家な一面が垣間見える香りです。
【ラストノート】
ホワイトムスクやサンダルウッドの香りが出てきて、ミドルノートのほろ苦さが和らぎます。
緊張感が解れたかのような印象で、幾重にも罠を張った「沼」を創り上げたものの、その堅牢さに慢心している一条の姿が感じられるようです。
しかし、その分混じりけのない落ち着いた印象も出てきます。
その慢心ゆえにカイジに敗北を喫し、1050年の地下行きの刑を受けた一条。
彼が去り際に見せた、カイジへのリベンジを誓う時の真っ直ぐな覚悟や、高潔さを思わせる香りです。
【全体的に】
一条聖也のフレグランスは、容姿端麗な秀才に相応しい、品のある端正な香りが特徴です。
エリート街道を順調に歩んできた彼のハングリー精神や、それ故の傲慢さ、そして転んでもただでは起きないという狡猾さや根性を感じてみてください。
©福本伸行/講談社