Mizuki
【トップノート】
ほんのり甘さを帯びたフゼア調の香りの中に、ガルバナムやブラックペッパーのドライな香りが感じられるところから始まります。
愛煙家の昭和サラリーマンといった風体が思い浮かびつつも、使い捨ての駒に甘んじることなく生きられる力を欲している、といった上昇志向の強さが感じられる香りです。
耳ざとく情報を聞きつけては手柄を立てに哭倉村に赴き、権力者の圧や歪な村社会にも物怖じせずに立ち回る姿が思い浮かびます。
【ミドルノート】
クローブの香りが出てきます。
トップノートに比べるとしっとりとした甘さが際立つ分、優しい印象があるのが特徴です。
龍賀一族の所業に憤りを覚えることはもちろん、鬼太郎の父の妻を探すために最後まで協力したり、哭倉村の窖から脱出する時には自らに着せられたちゃんちゃんこを彼女に着せたりといった、正義感を見せる水木。
そうした、自らの野心のために人の懐に入り込むことを優先させるだけではない、人情と真っ直ぐさを持ち合わせていることが伝わってくる香りです。
【ラストノート】
ラブダナムのゆったりとした香りが出てきます。
トップノートのドライで軽い渋みとは違いほろ苦さを帯びた香りで、燃える哭倉村から逃げ延びた時、一切の記憶を失ってしまったことや、理由もわからず押し寄せる寂しさや侘しさが感じられます。
一方で、ミドルノートから引き続き穏やかで温かみがある香りでもあります。
脳裏をよぎった下駄の音と鬼太郎の父の面影をきっかけに、水木が墓場から出てきた赤子を抱きしめる瞬間が思い浮かぶ香りです。
【全体的に】
水木のフレグランスは、戦後間もない時代を強かに生き残ろうとするサラリーマンの雰囲気が感じられる香りです。
しかし、一見すると利己的な立ち回りをしているようで、“力ある者”たちとは違う、泥くさく生き抜く根性や、人情という強さをもっているからこその、骨太で人間味あふれる様子を感じてみてください。
©映画「鬼太郎誕生ゲゲゲの謎」製作委員会