Suigintou

水銀燈|TVアニメ化20周年記念「ローゼンメイデン」フレグランス

【トップノート】
冷たく研ぎ澄まされたエストラゴンの、冴え冴えとした香りから始まります。真紅と再会した際、「586920時間37分ぶりね」と言い、鋭利な黒羽で攻撃してきたり、姉妹たちのローザミスティカを貪欲に狙ったりする、容赦のない姿が思い浮かびます。
また、どこか硬さを感じられる香りでもあります。姉妹が現れるたびに自分は『至高の少女アリス』ではないと突きつけられてきた心の悲鳴や、逆十字の“罪”を全て背負わされた自分が『至高の少女アリス』となることでお父様に復讐するという、複雑な愛情が垣間見えます。

【ミドルノート】
ひんやりとした空気感へ重なるオレンジフラワーの澄んだ甘さが、徐々に研ぎ澄まされた雰囲気を和らげることによって、残酷とも思える一面の中に、自身の気持ちの変化に対する戸惑いが感じられます。
水銀燈の事を「天使」だと言い切るめぐに困惑して、契約の証である指輪を渡せずにいたり、めぐの病室の前に降り立った時も、歌うことをやめないでと密かに願う姿のイメージです。

【ラストノート】
フローラルオゾンのクリアな雰囲気と、ほのかな温感をまとったムスクが広がります。雪華綺晶に身体を差し出しためぐを救おうと戦う水銀燈の、純粋な想いが垣間見えるような雰囲気です。
雪華綺晶との戦いの終盤で、めぐに『絶望』の表情を向け、彼女の「大好きよ」という言葉に「私もよ」と告げる水銀燈の、愛情が感じられます。

【全体的な香りの印象】
その漆黒の翼を広げて、冷たい月が浮かぶ夜を羽ばたく姿が感じられるような、冴えた雰囲気の香りです。
しかし、少しだけ温感が出てくることによって、愛情を誰よりも欲していた彼女の、隠してきた気持ちに触れることができるフレグランスです。