甘酸っぱいカシスが煌めきを放つ裏側で、静かに目覚めの時を待っているローズの蕾たち。ようやく開いた花弁は、意識の奥底で眠っていた力を呼び起こす引鉄（ひきがね）となり、凛と美しく咲き誇る。
炎（オーラ）を手繰り寄せるその手の力強さにも似た、深みのあるサンダルウッド。そのすぐ側では、慈しむ心を伝えるように、柔らかなムスクが優しく揺蕩（たゆた）う。
譲れない正義を胸に宿した乙女に贈る、強気ながらも純粋なフレグランス。

軽やかなシトラス調の香りが生む、飾り気のない空気。それはまるで、心解く居場所を密かに求める青年の、控えめな佇まいのよう。
湧き上がる感情に呼応して、ジワジワと浸食してゆくガルバナムの落ち着いた気配。相反する二つの質感が調和しながらオークモスの深みに溶けてゆく時、手にした友情を守らんとするように、その心に決意の炎（オーラ）が灯る。
仲間のために前進する優しき青年に贈る、素朴ながらも頼もしいフレグランス。