しなやかな菊の花の香りに重なる、シダーリーフの静けさ。混じりけのない透明感と響き合うように睡蓮が香り出すと、辺りを漂うのは早朝の山々を思わせる凛とした空気。
その清らかな気配に、次第にホワイトムスクの甘さが合わさり、気付けばふわりとした柔らかさに心が解（ほぐ）れてゆく。
優しい光を宿した微笑みに満たされ、穏やかな時間を過ごすためのフレグランス。

薄い紗幕の向こうからゆったりと流れ出るのは、厳かな香木の香りを纏（まと）わせたベンゾイン。一歩、また一歩と近づく度に色濃く鮮明に立ち込めるその香りに、心惹かれてゆく。
紅布がひらりと舞うその刹那、トンカビーンズの甘く深い香りが広がり出せば、あたりに満ちるのは心地よい温もり。それは大切な人を慈しむまなざしを思わせるような、優しさを宿した香り。
瞳に映る一途な情に、身も心も溶かされるフレグランス。