一切の揺らめきを見せないガルバナムの重厚な香りが、低く淡々と漂う。
平穏な暮らしに紛れ込む奥深いグアヤクウッドが示すのは、日常を味付けする甘さか、修羅場が落とす影の暗さか。
全てを呑み込むようなベチバーが男の姿を寓話の中へと隠すも、その場に残る淡い温もりが、確かな拍動を伝えている。
明日を想う幸福を噛みしめる、人間味のあるフレグランス。 一切のブレを見せない体幹で車輪を回し、目的地に向かって淡々と走り抜ける⸺
うっすらと漂う奥深い香りは、健脚が積み上げた実績か、築いた信頼の厚みか⸺
呑み込まんばかりの煙が青光りするサンマを燻しあげれば、垂涎ものの絶妙な香りと焼き加減に、確実に鼓動が高鳴る⸺
仕事もプライベートも充実させる、プロに相応しきフレグランス⸺

とろりとしたブランデーに浮かぶのは、プラムの甘酸っぱさ。
清らかなヘリオトロープが似合う凛々しい瞳が見つめるのは、油断した男の一瞬の隙と、秒針の動き。
だが、日常に上がり込む殺伐とした非日常の火種を消すように、いつしかトンカビーンズの温もりがじんわりと広がってゆく。
一つ、また一つと記憶を胸に刻む、大人びた“妹”のためのフレグランス。 キュートな果実酒の次は、喉を焼くテキーラショットでグビ、コン、チュ⸺
花が咲くような表情で嬉々として見つめるのは、舌がもつれた男の哀れな（かわいい）姿⸺
最高の夜を演出するトンカビーンズの温もりにも似たほろ酔い気分の中、サイレンを鳴らす白いタクシーが到着する⸺
溺れんばかりの酒で肝臓に負荷をかける、アルコール・ガールのためのフレグランス⸺