きらりと輝くシトラス調の香りはまるで、星空を見上げる少年の瞳の煌（きら）めきのよう。マリーゴールドの澄んだ気配が思考を解きほぐすと、次第に露わになる真実に魅せられてゆく。
空に浮かぶ月の光のように真っすぐに差し込むシダーウッドが、生まれた直感を照らした瞬間、その胸の内に覚悟が宿る。
突如として出会った美しき世界に、魅了され続けるフレグランス。

湿り気のあるキャラウェイの渋みは、星々の輝きを畏怖する瞳のよう。しかし、ガルバナムの力強さに突き動かされるように夜空を見上げれば、その胸には期待の念が生まれてゆく。
志を同じくする者と輝く景色を見上げた時、満ちゆく胸中を寿（ことほ）ぐウッディ調の晴れやかな香りが、辺りに漂い始める。
宇宙（そら）の美しさをその身に受けながら、自由（こたえ）を知ってゆくフレグランス。

ひんやりとしたハーバル調が織りなす端正な香りは、どこか鋭く隙が無い。しかし、そこへ重なるルピナスの甘さは、真理を紐解くその知性のように、クリアな気配を醸し出す。
仄（ほの）かな温もりをもつムスクが凝り固まった常識を溶かせば、見上げた夜空は、かつてないほど美しく見えるだろう。
いつか訪れる特別な一瞬のために、真理を追求するフレグランス。

フルーツの甘さと、リーフグリーンの涼やかな気配。そこに歳月の重なりを示唆するローズが深みを与えると、尾を引く可憐さは少女の面影を、増しゆくしなやかさは研究者の意志を物語る。
やがて芯のあるシダーウッドが、彼女の選択（けつだん）を後押しするように真っ直ぐに香り立つと、目の前には友や家族と生きたかつての記憶が広がってゆく。
同志が紡いだ奇跡の結晶を、次代の主役に贈るためのフレグランス。